「Learn Better 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ」を読んだ (2)
「Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ」
アーリック・ポーザー 著
月谷 真紀 訳
を読んだので、まとめです。
大きく6つのパートに分かれているので、1つずつまとめます。
第二章 Target 目標を決める
【学習の前に】
- 学習は偶然にできるものではない。
- 学習の入り口の段階では、プロセスをしっかり管理する必要がある。以下を行うと、学習がブレない。
- 何を学習するか
- 学習するにはどのような計画をたてるか
- 学習を進めながら計画を変更するのはいいが、計画なしはNG
【学習を始める】
・学習を始めたばかりの時は、対象に通底する論理の理解をめざすべし。
・(手法1)あるテーマについて、知っている事を書き出すとよい。
・このやり方は、個々の事実情報ではなく、つながりに目がいくので良い。
・(手法2)小テスト。分からない部分の明確化、フィードバック、判定ができる。
・自問自答もよい。「なぜこれが正しいのか」「どのように他の概念とつながるか」
【短期記憶は小さくて短時間しかもたない】
・学習が行われるのは短期記憶。長期記憶に移す前に、まず短期記憶でその経験を処理しなければならない。
・短期記憶は、小さく、短い時間しかもたない
・そのため、知識やスキルを消化できる大きさに分割し、一つ一つの習得に集中する必要がある
・ほとんどの人は、短期記憶の容量を過大評価しており、一度にたくさん学習しようとしてしまう
・「ながら学習」は、短期記憶を占領してしまうため、理解を妨げる
・話しが長い場合も、短期記憶が容量オーバーになる。
・心配事も、情動が短期記憶を占領してしまう
・ターゲットを絞り込んだシンプル化が有効。
・注意が別の事に移る(気をとられる)と、短期記憶が損なわれる。
【すでに学習した事が、学習の土台となる】
・学習は個人指導がよい。
・フィードバックがたくさんもらえる
・動機付けもしやすい
・生徒の知識レベルに合わせられる
・前提知識がないと、学習できない。
・脳は、以前からある記憶(長期記憶)と、新しい情報(短期記憶)を結びつけて格納する。
・すでに知っている知識と結びつけ、連想すると記憶しやすくなる。例:語呂合わせ
・その分野の知識があれば、新たな知識を得るのが簡単になる。「お金がお金を呼ぶ」現象。
・知識が無いなら、基本的な事実情報(単語とか)を覚えるのが有効。
・事実情報が頭に入っていれば、専門知識の習得効果が上がる。スピードも早くなる
・知識と思考は脳の中でまざりあう。
・専門知識の習得には、どんな前提知識が必要か見極めるのがスタート地点。
【自分のスキル(コンフォートゾーン)より少し背伸びしたレベルで学習する】
・専門知識を習得するには、自分のスキル(コンフォートゾーン)より少し背伸びしたレベルで学習する必要がある。
・目指すスキルが今のスキルレベルとかけ離れていたら、学習していても途方にくれてしまう。
・人間は、学習の目標設定がヘタである。
・学びの効果が最も高いのは、まだ理解していない物の中で、一番やさしい題材を学ぶ時。
・マスターしたいスキル目標は、常にステップアップしていく。
・実力の少し先に学習の目標を設定するとよい。
【専門知識、ベテラン】
・思考の質を上げる。
・専門知識や記憶は、直線的なものではない。ネットワーク型モデルである。
・個別の事実情報の寄せ集めではなく、体系化された専門知識。
・経験豊かなベテラン医師の診断した場合の例
・重要なものと、そうでないものを、見分けるパターン認識力を備えているから。
・専門家は、課題の核心が分かる。つながりや関係性が分かっている。
・ネットワーク化された専門知識。
・知識の習得は、内容を覚えるだけでなく、思考のスキルも身につけるということ。
・専門家は、無意識にやっている。思考スキルや推論スキルを無意識に使って問題解決をしている。
・専門知識は、長期間使われるうちに無意識化する
・無意識化のおかげで、短期記憶を容量オーバーせずに新しい事を学びやすくなる。
【メタ認知】
・頭の中に別な視点を作り、思考している自分を自覚すること。
・(1)計画。どうやればいいか、目的は何か、など考える事
・(2)モニタリング。自分は前に進んでいるか、なぜ今やっている事をやっているのか、など考える事。
・メタ認知的な問いかけを自分にすると、新しいスキルも早く習得できる。
・あやふやなのはどの点か。理解度をどうやって測るか。など。
・メタ認知は地頭の良さより重要。
・書くのはメタ認知の良い例。書くときに、自分の主張を評価したり、アイデアについて考えたりするから。読み手は誰か、読み手に理解してもらえるか、なども考える。
・メタ認知的な問いかけに正しく答えられなくてもよい。考えることが大切。
【感情を管理する必要がある】
・情動にも、メタ認知(計画やモニタリング)が必要。
・自分はどう感じているか
・このタスクはフラストレーションがたまるか、怖いか、、、
・情動は、大人が学習する場合でも大きな役割がある。
・思考と情動はないまぜになっている事が多い。
・脳の損傷で情動(感情)を失うと、論理的な思考もできなくなり、意思決定もできなくなる。問題を全体的にとらえて、どこかおかしいと直感できなくなる。
・情動(感情)は、理性(思考)を使うべきかどうかを判断するのに役立っている。
・図面は、指で線をなぞると、理解しやすくなる。情動と思考がつながっているからである。
・体を知力の一部として使うやり方もある。電話番号を指の運動で覚える。記憶の負荷を手に移した。
・情動(感情)によって、学習が妨げられることもある。
・感情面の準備。イメージトレーニング。自分の行動を観察する。脳と身体が情報を相互にやり取りすることにより、スポーツ選手は効果を上げられる。
【自己効力感】
・自己効力感。
・自己効力感は、学習につきもののフラストレーションをやわらげる。
・ある活動をやりとげられると分かっていると、活動に身が入る。
・自己効力感は、「特定のタスクをやりとげられる」「良い成果を達成できる」という信念。成功への期待。
・自信があるほど、取り組み方も真剣になる。自己コントロール感、自己主体感。
【モチベーションを保つには、明確な目標を立てるべし】
・モチベーションを保つには、計画を書き出して、長期戦略を緻密にたてる必要がある。
・明確な目標を立てると、達成確率が上がる。
・高望みしすぎた学習目標は逆効果。漠然としているから。
・小さな目標を細かく設定するべき。
・目的を持つことは、情動の管理にも有効。
・★少しでも前進したら、小さな成果でも自分をほめることが大切。
【学習は、難しくて当たり前】
・学習は、難しくて当たり前。
・悪戦苦闘して、不安になって当たり前。
・答えが分からない苦しい状態に、慣れが必要。
・学習とは、頭を働かせる「活動」
・仕事とは、本質的に難しいもの。という考え。
・パラドックス。社会的支援と社会的重圧の間でバランスを取る必要がある。
・教師は、生徒の感情面を支援したいが、学業に妥協したくない、
・学習には、自分がこれから何を学ぶか、今どれだけ学べているかを認識する事が大事。
・感情面で前進するので、理解するほどに自信がつく。
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まとめる際には、事例も書いて、感情的に喜ぶ記憶も必要かもしれないと思いました。